突然のお知らせになりますが、ヨセミテは『みんなの闘病サイト オンライフ』のサービスを2009年7月24日(金)に終了することを決定しました。
オンライフ サービス終了のお知らせ
サービスをご利用いただいていたユーザーの皆様・お世話になった皆様・ご期待くださっていた皆様には本当に申し訳なく思っております。
また、2009年7月31日をもって津田が退任し、2009年8月1日から塚田がヨセミテの代表取締役に就任します。
新体制で『フォーグッド』という新サービスのリリースに向けて進んでいく予定です。
このような決定に至った経緯などについて以下に説明させていただきます。
オンライフについて
ヨセミテは『インターネットを活用した公共分野の改善』を目指して創業し、一つ目の事業として2008年5月からオンライフを運営しています。
当初はインターネット上の闘病コンテンツを集積して、患者さん本人やご家族などの支援者を情報面・感情面でサポートする方向でしたが、2009年に入ってからはオンライフ上に闘病記機能・闘病プロフィール機能(近日中にデータ記録の機能もリリース予定でした)を提供して、患者さん本人が病気を治癒させるために役立てていただく方向に転換していました。
患者さんのニーズを掴みつつあるという手ごたえを感じる一方で、より多くの患者さんに高い付加価値を提供できるサイトになり、収益と両立させていくには、私達が想定していたよりはるかに長い時間と多くの労力が必要になることを痛感しました。
このような背景や、後述のようにスタートアップのベンチャーが複数事業を運営する難しさもあり、今回は誠に勝手ながらサービス終了という決定をさせていただきましたが、津田がヨセミテを離れてから個人として、新たな形で患者さん向けサービスの提供を模索していく予定です。
また、ヨセミテで新しくリリースする『フォーグッド』のサービスは公共分野全般を扱うことにしており、医療分野においても貢献できるものと考えております。
会社について
ヨセミテは『インターネット時代に相応しい理想の組織・マネジメントのモデルを提示する』ことをミッションに掲げ、新しいワーキングスタイルや組織のあり方を模索・実践し、それをコーポレートサイトや当ブログで発信してきました。
結果として仕事の効率を向上させるとともに、公私ともにメンバー・社外の皆様と良好な関係を築くことができましたし、多くのご期待やご評価をいただきました。
しかし『良い会社作り』を開始したのが早かったことには、意外なデメリットがありました。詳細は後述します。
フォーグッドについて
ヨセミテは当初から公共分野で複数の事業を展開しようと考えていました。
医療などの分野特化型サービスとシナジーを見込める『公共分野のインフラ』となるようなサービスが必要だという考えがあったため、『ボランタリー』『寄付』『グッドアクション』などのキーワードで事業機会を探し続けました。
その中で、2009年の始め頃にフォーグッドの構想が持ち上がり、企画・開発を進め、ベータ版のリリースまであと少しというところまで来ています。
一方で、ゴールは共有しながらも、そこに至るアプローチに微妙な意見の相違があったり、複数事業を抱えることによりリソース・意識の分散が発生しており、このままリリースすることに迷いが生じました。
理由について
上記のような状況の中で、津田からの問題提起があり、サービスや会社のあり方について根本的に考え直す機会をもちました。
今回の決断に至った理由について、できる限り説明させていただきます。
まず、『サービス』と『組織』の両輪が大事だという思いは変わりませんが、やはり優先すべきはサービスの成長です。
サービスが伸びていなければ、いくら楽しく快適に働いていても、モチベーションを常に高く維持することや、メンバーが自身の急成長を実感することは難しいでしょう。
また、適正な収益を上げる見込みが立たない状況では、多くのユーザーに長期間にわたって付加価値の高いサービスを提供し続けることも難しいと考えています。
サービスを成長させるためには、民主的意思決定にこだわりすぎず、最も強い思いを持っている人が独断で進めていくことも必要になるのだと思います。
複数の人が関わることで、多角的な意見が取り入れられるというメリットはありますが、コミュニケーション・調整に時間がかかりますし、企画が中途半端になってしまう弊害もあります。
結論としては、Web上でサービスを立ち上げるときに最適な体制は
- プログラミングができる人であれば1人(プロデューサー兼エンジニア)
- プログラミングができない人であれば2人(プロデューサーとエンジニア)
ではないかと考えています。
デザインに関しては、リリース前に多くの作業が発生して、その後はタイミングによってバラツキがあるので、フリーランスのデザイナーさんにお願いするのが合理的だと思います。
こうすることで、迅速かつ首尾一貫した意思決定や実装ができるのです。
ヨセミテは2事業で4人(1事業につき2人)とフリーランスのデザイナーさんだったので、上記の体制に当てはまっているように見えます。
しかし、『1事業を2人』でやることと、『1事業につき2人』で複数事業をやることは全く違うことだということに気づかされました。
スタートアップのベンチャーが複数事業を運営することは非常に難しいことです。
どうしても自分が担当する事業に気持ちが集中していきます。
そのような中で重要な意思決定の場やリリース前の確認では全員が参加するので、先ほど書いたようなコミュニケーション・意思決定の問題が発生します。
また、今の体制で事業を進める中でどちらかのサービスが成長を始めたときには、リソース配分など多くの問題に悩まされ成長の阻害要因になることは容易に予想できます。
つまり『インターネット時代に相応しい理想の組織・マネジメント』の第一段階として『良い会社作り』を目指してきた中で、その前段階に『サービスを成長させるための体制(場合によっては個人)』が必要だったことに気がつき、それを実現するために全てをゼロベースで見直した結果が今回の決断につながったということです。
最後に
今回の結果は全て、津田と塚田という創業経営者二人の未熟さ(サービスを成長させる道筋を描けなかったこと、秋田や高橋の高い能力を充分に活かせなかったことなど)が招いたものです。
一方で、1年6ヶ月の中で多くの気づきや成長がありましたし、素晴らしい出会いにも恵まれました。
ヨセミテで出会った4人は今でも良好な関係を保っており、各自の専門性・志向を更に活かし、社会により良いインパクトを与える仕事をするための発展的解消であることをご理解いただければ幸いです。
4人での仕事は2009年7月31日で一区切りとなりますが、『インターネットを使って社会を良くしたい』という強い思いは全員が持ち続けていますので、時には連携もしながら活動していきたいと考えています。
メンバーの今後につきましては、今のところ以下のようになっております。
- 津田は個人として再出発することを決め、いくつかの分野の中から新しいサービスの立ち上げを準備中です。
- 塚田はヨセミテで引き続きフォーグッドの事業に取り組んでいきます。
- 秋田は7月中にフォーグッドの開発・ベータ版リリースを行った後、ヨセミテに残るか他の道に進むかを決める予定です。
- 高橋はしばらく時間を取って次のステップを決めることにしています。
重ねてのお詫びになりますが、オンライフのサービスをご利用いただいていたユーザーの皆様・お世話になった皆様・ご期待くださった皆様には大変申し訳なく思っております。
また、今までヨセミテやそのメンバーにご支援・ご期待をいただいた皆様、本当にありがとうございました。
これから、ヨセミテではフォーグッドの事業を成長軌道に乗せるために尽力し、その中で『インターネット時代に相応しい理想の組織・マネジメントのモデル』を引き続き模索していきたいと考えています。
ヨセミテを巣立つメンバーにも、ヨセミテに残るメンバーにも変わらぬご支援をいただければ幸いです。
今後の各自の活動の中で結果を出すことで、いただいたご恩やご期待に応えていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
2009年7月3日
株式会社ヨセミテ
津田全泰
塚田寛一